歯周精密検査
メインテナンス中に行なう検査で、口腔内写真に続き
今回は歯周精密検査についてお話しします!
この検査は、当院に通ってくださっている成人患者さんのほとんどが
受けてくださったことのある検査です。
まず、この検査で調べていることは
- ポケット値
- 出血
- 動揺度(どうようど)
- 根分岐部病変(こんぶんきぶびょうへん)
- 歯肉退縮(しにくたいしゅく)
これら5項目について詳しくご説明いたします。
1.ポケット値
ポケットと呼ばれる、歯と歯肉の間にある隙間は
子どもから大人まで歯がある全ての人に存在します。
この隙間を「プローブ」と言う目盛りが着いた器具を挿入し
1つの歯に対して頬側3点、舌側3点の合計6点を計測します。
正常な方のポケット値は 1~3mm
歯周病が進行している方は 4mm以上です
2.出血
ポケット値を計測した際に、健康であれば出血しませんが
歯肉に炎症が起こっていれば出血があります。
表に「BOP ○%」と記載がありますが、これは全体の○%から出血がありました
と言う結果です。
10%以下が目標値ですので、10%以下であれば多少出血していても
問題はありません。
ただ、ポケット値4mm以上で出血がある場合は要注意です⚠
ポケット値は3mm以下なのに出血が10%以上の方は歯肉炎が起こっていますので
歯科衛生士と一緒に歯磨き方法を見直し、練習しましょう!
3.動揺度
動揺度とは歯の揺れを数字で表したものです。
歯を支えている骨と歯の間には歯根膜(しこんまく)と呼ばれるクッション材のような
繊維でつながっているので、皆さん多少の揺れはありますが
歯周病が進行して歯を支えている骨が少なくなってくると安定性が悪くなり
だんだんと揺れが大きくなってきます。
0~3の4段階で評価しますが数字が大きくなるにつれて大きな揺れであることを表します。
0や1はご自身では分からない程度の揺れですが
2や3になってくるとご自身でも分かるほどの揺れで
私が普段患者さんに説明したときに2以上のところは
「やっぱり~」「ここの歯ですよね??」と自覚されている方が多いです。
4.根分岐部病変
上は奥から4本分、下は奥から2本分の合計12本の奥歯には根が2~3本あります。
その根と根の間のことを専門用語で根分岐部(こんぶんきぶ)と言います。
歯石が根分岐部に入り込むことにより、そこから歯周病が進行し骨が少なくなってきます。
(歯石と歯周病の関係についてはまた別の記事に掲載させていただく予定です)
他の部分についている歯石と比べると根分岐部は入り組んだ形になっているので
なかなか器具が届かず見えないので歯周病治療で取ることは難易度が高く、
外科処置(オペ)が必要になることが多いです。
レントゲンでも確認することが出来ますが、ファーケーションプローブと言う
器具を使って実際に根分岐部に挿入しどれぐらい器具が入り込むかで
進行度合いを計測します。
5.歯肉退縮
これは皆さんがよく言われる「歯茎が下がってきたきがする、、、」の事です。
歯肉が下がる原因は、加齢・歯周病・不適切な歯磨き など様々ですが
基本的に1度下がってしまった歯肉はもとに戻すことができません💦
もともと歯肉で覆われていた歯の根が見えることによって知覚過敏の症状が
出てくることや、歯の頭部分にあるダイヤモンドより硬いエナメル質が根にはないので
むし歯になりやすく進行しやすい、歯と歯の隙間が大きくなったように感じて
物が詰まりやすくなることや、見た目が悪くなってすごく気になる…など
1番変化を感じやすい部分です。
以上、歯周精密検査についてでした!
口腔内写真と同様に半年から1年に1回データの更新をしていきます。
歯肉が敏感な方は、チクチクするような違和感を感じて苦手かも知れませんが
できる限り患者さんの負担を軽減出来るよう努めますので
ぜひ頑張って受けていただければと思います😀