妊娠期のお口の健康管理:4つの変化と対策ポイント

妊娠期はホルモンバランスが大きく変化することで、身体の出やすい時期です。

そして、身体だけでなくお口の中も変化が出やすい時期でもあります。

唾液の量や歯ぐきの状態も、大きく変化します。

その結果、むし歯や歯周病のリスクが高くなりますが、適切なケアを行うことによりどちらも予防することは可能です。

今回は、妊娠と歯の関係についてのお話。

妊娠期の体が変化する原因と、変化に対する対策方法をお話したいと思います。

なぜお口の中の変化が起こりやすいのでしょうか?

大きく分けると、4つの原因があります。

 

  • 妊娠によって女性ホルモンが増えることで身体やお口の環境が変化する
  • つわりや体調不良で歯磨きがしづらくなる
  • 食事や間食の回数が増えるのでむし歯になりやすい
  • 唾液分泌が少なくなるetc…

 

以上のような変化が現れやすくなることが、原因となるといわれています。

順番にご説明いたします。

 

  • つわりで歯磨きがしづらい

つわりにより、お口の中に異物が入ると、いつも以上にえずきやすい状態になります。

歯磨きがうまくできない状態が続くと、やはりむし歯や歯周病の原因となります。

つわりでえずきやすい状態の場合、以下のような対策を取ることにより、比較的えずきにくくなり、歯磨きをしやすくなります。

 

『歯磨きのポイント』

体調の良い時間に歯磨きを行いましょう。体調がすぐれない時ほど、つわりによるえずきが大きくなります。食後すぐに歯磨きをすることが理想的ですが、妊娠中は無理せず、つわりによるえずきの出にくいタイミングで歯磨きを行ってみましょう。

その際の歯ブラシはヘッド(ブラシのついている先端)の小さいものを使用します。

パッケージに「スリムヘッド」「超コンパクト」などの表記があるものを選んでみて下さい。

お口の中に入れやすく粘膜に当たりにくいので、えずきが少なく奥歯まで磨きやすくなるはずです。

・歯磨き粉はつけても構いませんが、匂いによるえずきが出やすい場合は、香りや味の強いものは避けましょう。

刺激の強いものほどえずきはでやすいため、低刺激で匂いの少ないものほど使用しやすいです。

 

・歯を磨くときは下を向いて、前屈みの姿勢で歯ブラシを小刻みに動かしましょう。

舌に当たるとえずきやすいため、当たらないように磨いていただければ嘔吐反射(えずき)は出にくくなります。

 

・嘔吐反射が激しく、どうしても歯磨きができない時は、お水やデンタルリンス当でのうがいで代用しましょう。

お水でお口をゆすぐだけでも、何もしない場合に比べて効果があります。

さらにデンタルリンスを使用することで、水でのうがい以上に効果があります。

しかし、うがいだけではプラーク(歯垢)を取り除くことはできません。

歯の表面に付着したプラークは、物理的に擦る事でしか除去はできないのです。

体調の良い時は、できる限り歯ブラシでプラークを取り除くようにしましょう。

 

  • 1日中何かを口にしている(食べつわり)

お口の中に食べ物が入る回数や時間が増えると、むし歯のリスクが大幅に上がります。

食事回数が増えると、口の中が酸性になる時間が増えるため、歯が溶かされやすくなりむし歯ができやすくなります。

また、個人差がありますが、味覚の変化が起こります。

急に味の濃いものが食べたくなったり、甘いものが欲しくなったり、酸っぱいものが欲しくなるなど・・・

極端に偏った食習慣になることが多いため、注意が必要です。

 

  • 唾液分泌が少なくなる

ホルモンバランスが変化することで、唾液の量が少なくなります。

唾液は、酸性に傾いたお口の中を歯の溶けにくい中性に戻したり、菌をやっつけたりする役割を持っています。

唾液が減ると免疫力が落ちるので、むし歯や歯周病になりやすい状態になってしまいます。

適度に水分補給を行う事で、唾液が出やすい状態にしましょう。

また、糖分の入ったジュースやスポーツ飲料はむし歯になりやすい状態を作るため、水やお茶などの砂糖の入っていないもので水分補給を行いましょう。

 

  • フッ素やキシリトールを活用しましょう

フッ素のうがい薬やキシリトールガムによってむし歯を予防することができます。

フッ素を活用することで、歯をむし歯の原因菌の攻撃から守ることができます。

普段のむし歯予防にも有効な予防方法ですが、むし歯になるリスクが高い妊娠期には、非常に有効な予防方法となります。

また、キシリトールはお母さんと生まれてくる赤ちゃんのむし歯予防にも効果的です。

 

理由としては、

1.唾液の量が増えサラサラになることで、歯にむし歯の原因菌が付着しにくくなる。

2.むし歯の活動が弱くなるので、酸やプラークが作られにくくなる。

3.プラークが柔らかくなるので、除去しやすくなる。

 

そして、フッ素とキシリトール両方を活用することで、相乗効果が得られます。

 

むし歯だけでなく、歯周病の予防もしっかり行えるよう、ぜひ妊婦検診も受診してください。

妊娠中歯周病を発症していると、そうでないお母さんと比べて低体重児出産(早産)になる確率が大幅に上がるとわかっています。

その差はなんと、7.5倍!!

お口の中に菌がたくさん居る状態は、お母さんだけでなく、生まれてくる赤ちゃんにも大きく影響するのです。

妊娠が分かった段階で、できるだけ早めに歯科を受診し、予防に役立ててください。

 

 

当院では妊婦さんへの健診や、指導を行っています。

 

是非お気軽にお声掛け下さい!

 

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