最近、テレビCMや家電量販店でよく見かける電動歯ブラシ。
「電動歯ブラシっていいの?」と患者さんから質問をいただくことも多いです。
今回は、電動歯ブラシと手磨きの歯ブラシのメリット・デメリットについて詳しくお話しします。
電動歯ブラシのメリット
1. 歯垢を簡単に落とせる
電動歯ブラシは毛先が電動で動くため、歯の表面に当てるだけで効率よく歯垢を除去できます。
短時間でも効果的に磨けるのが大きな魅力です。
2. 手を動かさずに磨ける
高齢者や障害のある方でも、手を動かさずに振動だけで簡単に磨けるように設計されています。
これにより、歯磨きが楽になる他、もともと歯ブラシを細かく動かすような動作が苦手な方でも、効果的に磨くことができます。
電動歯ブラシのデメリット
1. 高価である
電動歯ブラシは1万円以上するものが多く、安価なものでも数千円します。
もちろん、電動歯ブラシの場合でも、ブラシの定期的な交換は必要です。替えブラシは数百円程度から1,000円前後のものまでさまざまです。
一方、手磨きの歯ブラシは数百円で購入できるため、コスト面ではデメリットがあります。
2. 磨いた気になりやすい
電動歯ブラシは振動が強いため、少し磨いただけでもしっかり磨けた気がしてしまい、不十分な状態で終わることがあります。
3. 歯茎が下がりやすい
強く押し当てると、振動によって歯茎が下がり、エナメル質が削れる可能性があります。これが原因で知覚過敏の症状が出ることもあります。
使用に向いている方
- 歯並びが悪い方
- 手や指がうまく動かせない方
- 朝じっくり歯磨きする時間がない方
- 他者の補助が必要な方
使用上の注意点
1. 研磨剤入りの歯磨き粉は避ける
研磨剤が含まれていると、歯の表面を傷つけたり知覚過敏の原因になることがあります。発泡剤入りのものは振動で泡立ちやすく、短時間で磨き終わってしまう恐れがあります。
2. 毛先を強く押し当てない
ブラシの振動によって歯茎を傷めないよう、強く押し当てないことが大切です。
電動歯ブラシの当てる角度
- 歯の表面:斜め45°
- 前歯の表:斜め45°または縦に持つ
- 前歯の裏:斜め45°または縦に持つ
- 咬合面(噛み合わせ):垂直
- 奥歯の奥(裏):ブラシの先端を当てる
歯間のケア
これは手用歯ブラシでも共通の事ですが、電動歯ブラシでも歯と歯の隙間まで磨くことはできません。隙間には必ず歯垢が残ってしまいます。
デンタルフロスや歯間ブラシを併用することで、磨き残しを大幅に減らすことができます。
磨く時間と使い方の目安
電動歯ブラシは通常、2分間で口腔内全体を磨く設計になっています。30秒ごとに音やフラッシュで知らせたり、2分で自動停止する機能があるため、磨く順番や時間の目安に利用しましょう。
また、デメリットの項目でご紹介した通り、振動が強いこともあり、磨いた気にないりやすです。
右上→上前歯→左上→左下→下前歯→右下
といったように各部位ごとに30秒
ぐるっと一周するイメージで、一本ずつの歯を意識しながら磨くようにすることで、磨き残しを防ぐことができます。
引用元:https://panasonic.jp/teeth/howto/doltz.html
パナソニック電動歯ブラシ使い方の基本
手用歯ブラシとの違い
手用歯ブラシには多くの種類があり、自分に合ったヘッドの形や大きさ、毛の硬さを選べます。
それだけでなく、柄の部分の太さや形状まで選ぶことが可能です。
歯ぐきの状態や、歯並び、お口の大きさなどによって、電動歯ブラシをおすすめできる場合と、避けた方がいい場合がございます。
どちらが良いか迷っている場合は、一度当院のスタッフにご相談ください。
電動歯ブラシは適切に使うことで、手磨きよりも高いプラーク除去が期待できます。
あなたに合った歯磨き方法を見つけて、健康な口腔環境を保ちましょう!