「もっと歯医者さんとつながるために」研修会実施レポート

こんにちは、歯科医師の工藤です。

9月25日
たつの市の特別養護老人ホーム「揖保の郷」にて、「もっと歯医者さんとつながるために」と題した職員向けの研修会を開催しました。
この研修会には、介護に携わるケアマネジャーやヘルパーの方々が十数名参加してくださいました。

私の研修会では、入所している要介護高齢者と歯科医療をどのようにつなぐのか。
また、日ごろの入所されている要介護高齢者の方の、どのような点に気付いていただき、連携していただきたいか。
そして研修会の最後には、普段の生活に取り入れやすい、お口の機能を強化するリハビリについてもお話させていただきました。

 

業務の合間を縫って研修会に参加していただきましたが、皆様大変熱心に聞いていただけました。

 

なぜ歯科とのつながりが重要なのか?
それは、施設に入所されている要介護の方々により元気に生活していただくためです。

 

歯の健康が保たれていれば、健常者と同じように美味しい食事を楽しむことができ、栄養をしっかりと摂ることが可能になります。
しかし、歯の状態が悪化すると、「嚥下調整食」と呼ばれる刻んだり、とろみをつけたりした食事になり、どうしても成分が薄くなってしまい、栄養が不足しがちになります。
その結果、体重が減少し、体力も低下することにつながるのです。

また、飲み込む力の衰えは、誤って菌を含んだ唾液が気管に入る原因となり、誤嚥性肺炎を引き起こす原因にもなりかねません。

 

歯の健康を維持する。
なんでも食べることのできるお口の状態を作る。

やはりこれは、歯科医師が担う仕事です。

 

要介護の方を歯科医療に結びつけるためには、普段のお口の状態を気にかけていただくことが非常に重要です。
そして、些細な変化でも歯科に伝えていただくと、状態の悪化を未然に防ぐことができるため、大変助かります。

そのための観察ポイントについても説明させていただきました。

 

 

研修会の最後には、リハビリの一環として、入所者の方々も一緒に、唾液腺マッサージやお口の体操を行いました。

研修会終了後、多くの職員の方からご質問をいただき、介護現場での課題やお悩みを知ることができ、私自身も非常に勉強になりました。
この研修会が、入所者の方々に更なる食べる事への喜びや、おしゃべりをする楽しみを支える一環として広がればうれしく思います。

来年の1月には、実際のお口の中の写真を用いて、入所者の皆様のお口のケア方法についての研修も予定しています。

最後に、参加してくださった皆様、また研修会の準備をしてくださった揖保の郷の施設長や担当者の皆様に心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。

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