冬に増える「誤嚥性肺炎」とお口の深い関係

〜お口のケアで守る、冬の健康〜

寒さが本格的になる冬の季節。
風邪やインフルエンザが流行し、体調を崩しやすい時期でもあります。
実はこの時期、「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」が一年の中で最も多くなることをご存じでしょうか。

誤嚥性肺炎とは、本来は食道へ入るはずの唾液や食べ物、細菌が誤って気管に入り、肺の中で炎症を起こしてしまう肺炎のことです。
特に高齢の方に多い病気ですが、風邪をひいて体力が落ちている時や、口の乾燥が強い時などは、年齢に関係なく誰でも起こる可能性があります。

冬は、空気が乾燥しやすく、体調や免疫力も低下しやすい季節です。

その影響で、飲み込む力(嚥下機能)が弱まり、知らないうちに「誤嚥」が起こりやすくなるのです。

実は深い!誤嚥性肺炎と「お口の中の細菌」の関係

誤嚥性肺炎の大きな原因のひとつが、お口の中に存在する細菌です。
冬は唾液の分泌量が減りやすく、お口の中が乾燥しがちになります。
唾液には、細菌の増殖を抑える働きがありますが、唾液が少なくなると、歯や歯ぐき、舌の表面に細菌が急激に増えてしまいます。

その状態で、誤って唾液や食べ物と一緒に細菌を吸い込んでしまうと、肺の中で細菌が増殖し、肺炎を引き起こしてしまうのです。
つまり、誤嚥性肺炎は「お口の中の環境」が大きく関係する病気なのです。

なぜ「お口のケア」が誤嚥性肺炎の予防につながるの?

お口の中を清潔に保つことで、誤嚥した際に肺へ入り込む細菌の量を大幅に減らすことができます。
具体的には、次のような予防効果が期待できます。

・お口の中の細菌が減ることで、肺炎の原因菌そのものが少なくなる
・歯周病菌や、舌に付着する汚れ(舌苔)が除去され、感染リスクが低下する
・お口や舌の動きが良くなり、飲み込みの力(嚥下機能)の改善につながる

特に舌の汚れ(舌苔)には、肺炎の原因となる細菌が多く含まれていることが分かっており、冬のケアにおいてとても重要なポイントとなります。

歯科医院でできる「誤嚥性肺炎」の予防ケア

歯科医院では、毎日の歯みがきだけでは取り切れない汚れを、専門的な器具と技術でしっかり除去することができます。

・歯石取り
・歯ぐきや歯周病のチェック
・舌の清掃(舌苔の除去)
・入れ歯の調整・クリーニング
・飲み込み(嚥下)の簡易チェック
・食べ物の形や、食べ方のアドバイス

こうした定期的なプロフェッショナルケアによって、お口の中の細菌数を大幅に減らすことができ、誤嚥性肺炎の予防につながります。

通院が難しい方も安心「訪問歯科」の活用

ご高齢の方や、お身体の状態により通院が難しい方にとっては、歯科に通えないこと自体が、誤嚥性肺炎のリスクを高める原因になることがあります。そんな時に活用していただきたいのが「訪問歯科診療」です。

歯科医師・歯科衛生士がご自宅や施設へ直接伺い、歯科医院とほぼ同様のケアを受けていただけます。

【訪問歯科でできること】


・お口のクリーニング・歯石取り
・舌苔の除去
・歯ぐき、歯周病のチェック
・入れ歯の調整・修理
・飲み込み機能の評価
・むせにくくなる姿勢や食べ方のアドバイス
・嚥下体操の指導

通院ができなくても、定期的にお口の清潔を保つことで、誤嚥性肺炎はしっかり予防できます。

〜冬を安全に過ごすために〜

乾燥する冬は、お口の細菌が増えやすく、誤嚥性肺炎が一年で最も多くなる時期です。
「最近、飲み込みづらくなった」
「口の中が乾きやすい」
「食事中によくむせるようになった」

このような小さな変化が、誤嚥性肺炎のサインである場合もあります。
この記事を読んでいただいている方はもちろんの事、身近な方に上記のような気になる症状があれば、どうぞお早めに歯科へご相談ください。

通院できる方は歯科医院での定期ケアを。

通院が難しい方は訪問歯科を利用することで、冬の肺炎リスクを大きく下げることができます。

「食べること」「話すこと」「笑うこと」

そのすべては、“お口の健康”から始まります。
この冬も安心して元気に過ごせるよう、私たちと一緒にお口の健康を守っていきましょう。

いなだ歯科クリニックでは、訪問歯科診療も行っております。
通院が難しい方や、ご家族の方からのご相談だけでも大丈夫です。
「うちも利用できるかな?」と迷われた時は、どうぞお気軽にお電話ください。

☎ 0120-648-182

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