皆さんは「オーラルフレイル」という言葉をご存知でしょうか?
平成30年頃から、厚生労働省やメディアで取り上げられる機会も多くなってきた言葉ですので、ご存じの方も多いかと思います。
今回は改めてオーラルフレイルについてのお話と、予防方法について解説したいと思います。
オーラルフレイルとは??
「オーラル」とは「口」のこと
「フレイル」とは虚弱・衰えるという意味の言葉です。
お口の事以外にも、全身の筋力や活力が低下し、虚弱になってしまったときにも、「フレイル状態」と呼ばれています。
「フレイル状態」という言葉をもうすこし具体的に置き換えると、
病気ではないけれど、
年齢とともに、筋力や心身の活力が低下し、介護が必要になりやすい、
健康と要介護の間の虚弱な状態
高齢になり心身の活力(筋力、認知機能、社会との繋がりなど)が低下した状態を言います。
そして、この「フレイル状態」には、腕や脚の筋力などの身体能力が低下する前の段階
・社会参加などの他者との交流が減る
・口の機能が衰えること(オーラルフレイル)
上記などがあります。
つまりオーラルフレイルとは、
口の機能が衰えてしまうことで、連鎖的に全身の機能が低下してしまう事。
言い換えると、介護状態になる前の「衰えの入り口」のことなのです。
ではどのようにしてオーラルフレイルを防ぐのか?
まずはご自身の状態から簡単にチェックしてみましょう!
例えばこのような症状はありませんか?
☑️口の中が乾燥しやすい
☑️薬が飲みにくい
☑️飲み込みにくい
☑️むせやすい
☑️硬いものが噛めない
☑️食べこぼしがある
☑️話がしにくい など…
ひとつでも当てはまるようであれば、オーラルフレイル(口腔機能低下症)の可能性があります。
3つ以上でオーラルフレイルに該当します。
例えば、むし歯や歯周病を放置したことにより歯が折れたり抜けたりして、それまで噛めていたものが噛めなくなることがあります。そのため自然と柔らかく食べやすいものを選択するようになります。
そのため、噛むための筋肉を使わなくなり噛む力が徐々に低下していきます。
噛む機能が低下することで柔らかいものを選択するようになり、更に噛めなくなる・・・。
というような負の連鎖を引き起こします。
また食の選択肢も狭まることで、栄養の偏りが生じることも考えられます。
このような状態を放置したままにすると、口から栄養を取ることが難しくなり、さらに低栄養となって段々と要介護状態に近付いていきます。
ですが今の状態を知り、正しい対策をすることで、衰えてしまった機能は回復させることができます。
最後にオーラルフレイル予防についてお話ししていきます。
オーラルフレイル予防には様々なお口の体操があります。
- パタカラ体操
これはお口周りの筋肉の低下を予防するものです。食前の行うことで、誤嚥のリスクを減らすことができます。
「パ」「タ」「カ」「ラ」、「パ」「タ」「カ」「ラ」と繰り返したり、
「パパパパパ」「タタタタタ」「カカカカカ」「ラララララ」と3回程度繰り返しましょう。
- あいうべ体操
あいうべ体操は「あ~」「い~」「う~」「べ~」と繰り返すだけの簡単な体操です。
食後に10回、一日30回を目安に地道に続けると、舌力がつきます。
舌力がしっかりすると、口呼吸を鼻呼吸に改善することも可能です。
食事の際はしっかり噛んで、歯ごたえのあるものを食べましょう。
ひと口「30回」が目安です。
『お口をきれいに保ちましょう!』
歯ブラシだけでなく、フロスや歯間ブラシも使って、歯と歯の間をきれいにしましょう。また、高齢になると口の中が乾燥するため、舌の上に汚れがついて口臭や誤嚥性肺炎に繋がる恐れがあります。
どれも日常生活の中で対策できるものです。
しかし、自分がオーラルフレイルに当てはまっているのか、なかなか分からないと思います。
当院では50歳以上の方を対象に、専門の器具を用い、オーラルフレイルの検査を行っています。
保険内で検査を行うことができます!
気になる方は1度スタッフにお声掛け下さい。
お口からの些細な衰えに早めに気付いて対策を行い、いつまでも健康な身体を維持しましょう!