2024年2月4日(日)、5日(月)に開催された、PHIJアップデートミーティング2024 in福岡に、
当院を代表して8名(院長を含む)が参加してきました。
いなだ歯科クリニックとしては毎年参加していますが、今回参加の衛生士5名はみんな初めてでした。
そもそもこのPHIJの考えの一つに予防医療の普及というのがあり、院長も常々診療で、当院の患者さんはもちろん地域の方々にも浸透させたいと言っています。
このミーティングは年に一回“予防歯科”を振り返る良い機会で、今回の参加者も500人オーバーらしく、人の多さに圧倒されました。
参加者・参加医院の数は、年々増えているようです。
二日間、頭にいっぱいインプットしたことと、お腹もいっぱいになったことをブログにまとめます。
参加したメンバーが、それぞれ印象に残ったセッションをまとめてお話いたします。
・一日目 第1セッション:自治体とオーラルヘルスへの取り組みセッション
歯科医師 穴田
私が特に感銘を受けたのは、「自治体とオーラルヘルスへの取り組みセッション」でした。北九州市の武内市長が述べられた取り組みは、歯科の領域にとどまらず、国や自治体、そして多職種連携を通じた“一つの街まるごと”の予防への取り組みや今後のビジョンが明確に示されていました。
次世代、就労世代、高齢世代それぞれの現状と目標到達のための支援、そして普及啓発が明確化されており、大変素晴らしいものでした。
また、講演の中でお勧めされた鎌田實さんの書籍では、脳活性化のためには“歯を守ること”と“歩くこと”が重要であると述べられています。現在の日本では、要介護を受ける方の第1位が認知症、第2位が脳血管疾患といわれています。要支援を受ける方の第1位が関節疾患(骨折など)であることからも、健康寿命の延伸と機能維持のためには、歯の健康と運動が不可欠であることが明確になりました。
今後一人の歯科医師として、今以上に多職種と連携を取り、たつの市の健康寿命の延伸に努めていきます。
・一日目第2セッション:大賀薬局セッション
歯科衛生士 竹内
福岡最大の薬局である、大賀薬局の大賀 崇浩社長から興味深いお話を伺いました。
大賀薬局では、医療費の削減や子供たちの健康意識の向上を目指し、さまざまな取り組みを展開しています。
その一環として、残薬(病院等から処方されたが、飲み忘れ等によりご自宅に残ってしまった薬のこと)での医療費の削減や幼児の健康習慣の普及に注力しています。
特に幼児向けの訪問において、手洗いやうがいだけでなく、ブラッシングやフロスの習慣化を促す取り組みを積極的に行っています。
こうした取り組みは、子供たちの健康意識を高めると同時に、将来の医療費負担を軽減する一助となることが期待されています。
また、大賀薬局では、子供たちの興味を引きつけるために、社長自らが「オーガマン」というキャラクターに扮して活動しています。
このキャラクターは子供たちに大変人気であり、健康習慣の啓発に大きな効果を発揮しています。
この取り組みを聞いて、私たちいなだ歯科でも同様のアプローチを取り入れたいと感じました。
例えば、院内独自のキャラクターや似顔絵を活用し、子供たちがよりリラックスした雰囲気の中で治療を受けられる環境を整えていきたいと考えています。
子供たちにとって、歯医者さんは不安や恐怖を感じる場所かもしれません。
しかし、楽しいキャラクターや優しい雰囲気があれば、治療に対する抵抗感が軽減されることでしょう。
今後、いなだ歯科でも患者さん一人ひとりが快適な治療を受けられるよう、さまざまな工夫をしていく予定です。
健康習慣の普及や患者さんのリラックスした治療環境づくりに、私たちも積極的に取り組んでいきたいと思います。
・一日目 第3セッション:FUKUOKA医科歯科連携セッション
歯科医師 坂本
「人生100年時代」一度は耳にされたかたもいらっしゃると思います。
近年、医療の世界では「医科歯科連携」という言葉が注目されています。平均寿命の延長により高齢者の割合が増え、全身疾患を抱える患者も増加しています。私たち歯科医師も、患者の全身健康を守るために、これまで以上に医科との連携が重要だと感じています。FUKUOKA医科歯科連携セッションを通して、医科歯科連携について学んだことをお伝えします。
むし歯や歯周病は全身疾患の原因とされていますが、内科医からはお口の中の診断は行わないという意見が出されました。
しかし、糖尿病の患者さんにおいて『歯周病の治療が血糖値を下げる効果がある』ことが英国の研究で示されました。
このことから、歯科から歯周病が進行している患者に対して内科受診を促し、逆に糖尿病の患者には歯科受診を促す連携が必要であると感じました。
医科歯科連携がスムーズに行われれば、患者さんの口腔健康だけでなく全身健康も守ることができます。患者さんが安心して治療を受けられ、健康であることを続けられる仕組みを歯科からも発信していく必要があります。
今後も、医科歯科連携の重要性を啓発し、患者の健康を守るために全力を尽くしていきたいと思います。
・一日目 第4セッション:アクサ生命株式会社セッション
歯科衛生士 桑田
予防歯科と聞くと、多くの方が子どもや若年層を対象としているイメージを持たれるかもしれません。しかし、実際には成人における予防歯科も非常に重要です。
今回は、アクサ生命保険株式会社のセッションで得た情報をもとに、予防歯科の重要性について考えてみたいと思います。
まず、健康寿命についてです。日本人の平均健康寿命は男性で72.68歳、女性で75.38歳です。一方、平均寿命は男性で81.41歳、女性で87.45歳となっています。
この差は約10歳あります。
つまり介護が必要な期間が10年近くあることを示しています。
しかし、人生において最も長い期間は20歳から64歳の就労期間です。この時期を充実させ、健康な生活を送りたいというのが多くの人の願いでしょう。
ここで予防歯科が重要な役割を果たします。
歯科で予防できることはむし歯や歯周病の予防だけでなく、それ以外の疾患の予防にもつながります。特に歯周病を予防することは、心筋梗塞や脳梗塞、糖尿病、誤嚥性肺炎など、歯の健康と直接関係のないように思える疾患の予防につながります。
このように、予防歯科は健康寿命を支え、充実した人生を送るための重要な要素となります。皆さんも、最新の情報を取り入れながら予防歯科を実践し、健康な生活を目指しませんか?いなだ歯科クリニックでは、常にアップデートされた情報を提供し、皆さんの健康をサポートしています。
ぜひ一度、ご相談ください。
~~~後編記事へ続く~~~
↑こちらから後編記事へ移動できます