むし歯になりにくいおやつの選び方 ~甘いもの、やめなくても大丈夫!~

子どもから大人まで、毎日の楽しみのひとつともいえる「おやつ」。
ほっと一息つく時間に、つい甘いものに手が伸びてしまうという方も多いのではないでしょうか。

しかし、気になるのが「むし歯」のリスク。
特に小さなお子さんがいるご家庭では、おやつの与え方ひとつで将来の歯の健康に大きな影響が出てしまうことも。

そこで今回は、「むし歯になりにくいおやつ」の選び方や食べ方の工夫について、歯科の視点からわかりやすくご紹介いたします。


むし歯ができる仕組みとは?

むし歯は、口の中にいる細菌が食べ物の中の「糖分」を分解し、酸を作り出すことで発生します。この酸が歯の表面(エナメル質)を溶かすことを「脱灰(だっかい)」といい、これが長い時間続くとむし歯となってしまいます。

つまり、糖分の多いおやつを頻繁に食べたり、長時間口の中に残るような食べ方をすると、むし歯になるリスクが高まるのです。


むし歯になりやすいおやつとは?

まずは、避けたいおやつの特徴から確認しましょう。

● 砂糖を多く含むお菓子

キャンディーやチョコレート、クッキーなどは代表的な例です。
特に「口の中で溶けにくいもの」や「ゆっくりなめるタイプ」は、長時間にわたって歯の表面に残り、酸が作られる時間が長くなるため注意が必要です。

● 粘着性の高い食品

キャラメルやグミ、ドライフルーツなどは歯にくっつきやすく、糖分が歯の表面に長く残る傾向があります。

● 間食の頻度が多い

おやつの内容だけでなく「食べる回数」も重要です。

おやつに限らず、食事をした後はお口の中が酸性に傾きますが、唾液の力で20分~1時間ほどかけてゆっくりもとの中性へと戻ります。

しかし、1日に何度も間食をすると、口の中が酸性に傾く時間が長くなり、歯がダメージを受けやすくなります。

(過去ブログもご覧ください)
夏の水分補給におけるむし歯リスクと注意点
https://inada-dental-clinic.com/blog/7963/

 


むし歯になりにくいおやつの特徴とは?

おやつ=むし歯の原因、というわけではありません。選び方と食べ方を工夫すれば、むし歯リスクをぐっと減らすことができます。

以下のようなおやつは、比較的むし歯になりにくいとされています。

● 糖分が少ない or 含まれていない食品

無糖ヨーグルト、チーズ、ナッツなどは、糖分が少なく、歯にとって安心なおやつです。
特にチーズは、カルシウムが豊富で、歯の再石灰化を助ける働きも期待できます。

● 水分が多い食品

りんごやいちごなどの果物、ゼリーや寒天などは、口の中に残りにくく、食後に自然と洗い流されやすいという利点があります。

● キシリトール配合のお菓子

キシリトールは、むし歯菌の活動を抑える効果があります。
特にガムに配合されていることが多く、噛むことで唾液も増え、口内の自浄作用が高まります。
ポスカガムのように再石灰化を促進する成分が含まれたものもおすすめです。


おすすめのおやつ5選

以下のようなおやつは、むし歯予防を意識したい方にぴったりです!

  • チーズや無糖のヨーグルト
     栄養価も高く、小腹を満たすのにちょうどよい食品です。

  • アーモンドやくるみなどのナッツ類
     塩分や糖分が加えられていないものを選びましょう。

  • 野菜スティック(にんじん・きゅうりなど)
     シャキシャキとした食感が楽しく、噛むことで唾液分泌も促進されます。

  • 旬の果物
     りんごや梨などは繊維も多く、歯に付きにくいのでお勧めです。

  • キシリトール入りのガム
     おやつ代わりに食後に噛むことで、むし歯予防に役立ちます。


食べ方にも工夫を

どれだけ良いおやつを選んでも、食べ方が悪ければむし歯のリスクは上がってしまいます。
次のような点にも気を配りましょう。

  • 時間を決めて食べる
     だらだら食べは避けて、できれば一日1~2回にとどめましょう。
    また、『食後すぐに食べる』ことがおススメ!
    酸性に傾く時間を短くすることができるため、同じものを食べてもむし歯になりにくくできます。

  • 食後は口をゆすぐ、または歯磨きをする
     すぐに歯磨きができない時でも、水やお茶で口をゆすぐだけでも効果があります。

  • 飲み物は水やお茶を選ぶ
     ジュースやスポーツドリンクは糖分が多く、意外とむし歯の原因になります。


おやつと上手につきあうために

「甘いものはむし歯になるからダメ!」と厳しく制限するのは、必要だとわかってはいても心苦しいものがあります。
しかし、内容とタイミングを工夫することで、楽しく安心しておやつを楽しむことができます!

親子でおやつの内容を考えたり、一緒に買い物に行ったりするのも、立派な“食育”のひとつ。

毎日のおやつ時間が、健康な歯を育む大切な時間にもなるのです。

むし歯予防の基本は、「正しい知識」と「ちょっとした意識」です。

ぜひご家庭でも、おやつ選びのヒントにしてみてくださいね。
気になることがございましたら、ぜひスタッフまでご相談ください!

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